株式会社ウェイブダッシュ
「チケット流通センター」や「RE-Guide(リガイド)」などのインターネットによるサービスサイトの運営を行う株式会社ウェイブダッシュ様は、2015年10月、本社移転プロジェクトを実施されました。今回のオフィス移転の目的やその後の効果などについて、代表取締役会長兼社長・河野様にお伺いしました。
――早速ですが、移転をしようと思ったきっかけを教えてください。
株主が変わったことです。元々SBIグループのグループ会社であったということで、親会社と同じビルに長い間オフィスがありました。それが現在では株主が変わって基本的には独立した会社になったことで、オフィスも移転することになりました。
もうひとつは、業容の拡大によって手狭になってしまったことです。インターネット関連事業を行っているので、社員だけではなくシステム関係の業務委託先の常駐者も大勢いらっしゃいます。ユーザーへのサービスレベルを上げようとシステム開発を進めていく中で、そのための人員が増えていったんですね。徐々に打ち合わせするスペースがなくなっていって、最後はミーティングスペースを潰して作業の部屋にしていたほどです。システム要員だけではなく、他のサービスの企画やカスタマーサポートの運営といった要員も増えてきていましたので、とにかく狭かったんです。
この二つの大きな理由によって、移転をしなければいけなかったという事情がございました。
社員が誇りを持てるようなオフィス
――次のオフィスにはどんなことを望まれていましたか?
SBIという大きなグループからの独立と移転との時期がちょうど重なったので、この移転をひとつの独立の象徴としてとらえているところがありました。そういう意味では、社員が誇りを持てるようなオフィスにしたいと考えていました。
もうひとつは立地の問題ですが、気にしていたのは女性社員のことです。半分以上女性社員で、かつ、理念として女性が働きやすい職場作り、会社づくりというのが元々あったものですから、産休はもちろん、育休、復職して時短勤務など、そういう方も多くいます。したがって、あまり勤務地が遠くなると通勤ができずに仕事を続けられないというケースがあると考え、できるだけ近隣で、スペースを広げるというところで物件探しをしました。雇用が継続できないとか、戦力がダウンすることは避けたかったので。結果的にはすごくいいところが見つかったと思っています。
――具体的にどのようにして物件を探しましたか?
お付き合いがある不動産業者に頼みました。あとは銀行関連の会社に「どこかいい物件があったら教えてほしい」と声をかけました。
前身のSBIライフリビング株式会社では不動産業も扱っていましたが、部署やオフィスでさえ違うので、物件探しについて特別な知見があったわけではありませんでした。オフィスの移転というのはそう何度も経験できることではないですし、正直、どこにお願いすればいいのかよく分からなかったですね。WSIは株主のメンバーの知り合いによる紹介でした。
よく話を聞いていただいたという思いが強いです
――ずばり、WSIを選んだ決め手を教えてください。
言ってしまえばフィーリングが合ったんですね。あと、よく話を聞いていただいたという思いが強いです。個人が家を作るときと同様に「ああしたい」「こうしたい」「あれをつけたい」「こういう感じにしたい」「窓はこれ」「カーテンはこれ」など、順序を無視して、思いついた要望を出しました。例えば、以前のオフィスは重厚感のあるデザインということもあり、暗かったんです。もっと明るい感じにしたいですねといった感じで、本当におおまかに。予算もありますし、全てが実現できるとは考えていませんでしたが、理想形を話しました。それを「そうですよね」とニコニコしながら全部受け止めてくれたんですよ。他社が全くそうではなかったわけではないんですけれども、特にWSIからは、そういう感覚を強く受けました。
その理想形をすべて吸収してもらった上で、現実的なご提案を出してくれたことが一番ありがたかったところです。こちらも要望を全て出し切ることができましたし、そういう意味でコミュニケーションがうまく取れたんだと思います。
フワッとした願望を投げると、具体的な形で投げ返してもらえるような
――WSIとの印象深いやりとりは何ですか?
オープンスペースに関することです。業務上デスクワークが主な仕事で、この会社のオフィスは特に静かなんです。話し合いをするとなっても、従来は大きなビルでグループの各社が共有していたので、まず会議室を登録することから始めて、時間を決めてから集まらないと意思疎通ができないことが課題でした。みんなでワイワイガヤガヤとメモしながらやっていく雰囲気を作って社員のコミュニケーションを増やせば、雑談レベルからでも何か生まれるかもしれないと。これをWSIに話すと軽く集まってミーティングができるオープンスペースをご提案いただきました。どうせなら窓際の景色のいいところがいいですよね、などとおっしゃってくれて、今でも覚えています。
そういうところでも、ニーズにも満たないフワッとした願望のようなものを投げると、具体的な形で投げ返してもらえるような、そういうコミュニケーションが印象に残っています。
――移転するまでに不安に思っていたことは?
全体のスケジューリングはきちんと示されていましたが、追加要望などでどんどんタイトになっていくにつれて、本当にこのタイミングで移転できるのかという心配がありました。それでも基本的にはその中におさまりましたし、よくありがちな移転してからも端で工事しているという状況もほぼありませんでしたよ。
出来上がりのイメージも、シミュレーションを見せていただいたり情報を共有したりしていたので、全く不安はありませんでした。
「こっちに来てよかった」「働きやすくなった」
――移転後の変化はありますか?
とにかく好評です。少し心配もしていたのですが、「こっちに来てよかった」「働きやすくなった」という声が社員から多く聞かれます。
株主が変わり、会社も分割するという大きな変化のタイミングと移転がほぼ重なって同時期の中に起きたので、第2の創業のような、新しい会社づくりをしていくような感覚です。新しいオフィスになったことで、そんな社内全体の空気感がより明確になりました。
みんなこの椅子なんですよ
――こだわったポイントや工夫されたことは?
椅子です。先ほどもお話しましたが、基本的にはデスクワークなので、座るならいいものにしたいよね、と。実際にショールームに見に行ったんですが、カタログを見た段階では、そう言いながらも正直、1番安いものでいいと思っていました。特に椅子は座ってみないとわからないので、やはり現物見ると変わってきますね。ちなみに、社長も部長も社員もパートもみんなこの椅子なんですよ。社長の椅子はもっと立派なものを、などとご提案いただいたのですが、いらないと。予算的なこともありましたから、この部屋のここをコストカットしましょうなどとご提案いただくこともありました。
個室(社長室)は、必要ないと言ったのですが、社員に勧められて設置しました。外にいられると邪魔だと言うんです(笑)一番日当たりの悪いところでいいということも言ったのですが、一番いい角をどこが使うか揉めるから嫌だと言われてしまいました。「社長室だったら誰も文句言わずに丸く収まるから」と。
――最後の質問です。移転してよかったですか?
スペースが格段に広がったこともあって家賃が大幅にアップしたこと以外は、立地・内装全てを含めて、ほとんどの社員が満足してもらえるようなオフィスになったので、よかったです。
――ありがとうございました。
新しい会社づくりをしていくような感覚です