日本テトラパック株式会社
紙製容器の代名詞として企業名が広く知られている包材メーカ、日本テトラパック株式会社様は、2015年2月、本社移転プロジェクトを実現されました。今回のオフィス移転の目的やその後の効果などについて、総務部長兼上席顧問・伊来様にお話をお伺いしました。
――早速ですが、今回移転された理由を教えてください。
直接の理由というのは、以前入居していたところの契約期間が切れたからです。
意思伝達がうまくいかないということが課題となっていた
――次のオフィスにはどんなことを望まれていましたか?
一番はワンフロアかどうかですね。以前はスリーフロアだったことで、意思伝達がうまくいかないということが課題となっていたんです。
あとは、災害の備えができているところ。以前のオフィスは災害に対する備えが不十分であったため、東日本大震災以降は特に気にしながら検討しました。
もう一つ、立地を考える際に交通費の負担も重視しました。景気の問題ですが、オフィスを離れた場所にすると交通費としてのコストが大きくなってしまいます。家賃が安いのでお台場に、という案もあったのですが、お台場だと、どうしてもゆりかもめの乗車代が必ずプラスになる。長期的、全社的に見ると大きな負担となるので検討しました。あと、これは贅沢な話ですけれど、できれば新築がいいというのがありました。災害に対する備えにも当てはまりますが、あまり古いと嫌だなと。
――具体的にどのようにして物件を探されていたんですか?
お付き合いのある不動産屋にお願いをして、先ほど申し上げたような条件で探してもらいました。いくつか出してもらった候補に下見に行って候補を絞り、その絞った候補を上層部に確認してもらうような流れです。最終的には社長が決断しました。
きちんと仕事をしてもらえるという印象があったのでお願いしたんです
――PM設計を担当する会社についてはどのように探されましたか?
当社の場合は3社以上に相見積もりをしなければいけないのですが、見積もり金額だけでなく、当然ながらお付き合いのあるところ、ないところというのもあります。WSIには以前オフィスの改装をしてもらったことがあり、きちんと仕事をしてもらえるという印象があったのでお願いしたんです。
コミュニケーションが密になったという人もいれば、内緒話ができないという人もいます
――移転後の変化はありますか?
コミュニケーションが密になったという人もいれば、内緒話ができないという人もいます。周りに部署の人たちがいるわけですからね。偉い人だけが個室で、ちょっと偉い人も中間の人もその空間で一緒に座っているんです。課長ぐらいでもフリーアドレス(自席を持たない)なので、他の人に聞かれてはいけない指示を出す時は他の場所に行かなければいけないという手間はあるかもしれません。
リフレッシュや生産性の向上の面でプラスになっている
もうひとつ、フロアの中央に食事ができるような休憩スペースがリフレッシュや生産性の向上の面でプラスになっていると思います。以前も休憩室はあったのですが、スリーフロアの一番下のフロアだけだったので、上のフロアの人はめったに使わない。今はその休憩スペースで食事や軽い休憩をしています。
個人的には自分が住む住宅と同じで、新築で綺麗になって、スペースもゆったりしていれば気持ちいいですよね。
セキュリティーは強化されたと思います
――移転に際して、PCなどの機器から近接部署など人の動きについてまで、働きかたについての現状調査に時間をかけたと伺いました。ほかにこだわったポイントや工夫されたことは?
あとは、セキュリティーですね。以前のオフィスは、会議室が外部用と内部用と分かれていなかったので、かなり自由でした(笑)今は会議室も外部用と内部用と分けていたり、エントランスにゲートがあったり、エレベーターの停止階を限定したりしているので、セキュリティーは強化されたと思います。はじめにオフィスの入退出から会議室の使い方までを何度も社員にレクチャーしました。1年くらい経った今になってようやく浸透してきましたね。
ユーザー(社員)の満足度イコール総務の評価だったと思っているので、WSIと一緒に我々も徹底したサービスをしたつもりでいます。部署ごとの長に要望がたくさんあるので、何とか対応しようと思いながらやっていました。
――セキュリティ向上、社員満足度向上を実現された一大プロジェクトだったのですね。本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして誠にありがとうございました。
内緒話ができないという人もいます