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武蔵野美術大学 インタビュー

2016.4.28

先日、家具を納品した武蔵野大学にインタビューに行って来ました。

今回WSIで家具納品した新棟14号館は、学内に都道(小平3・3・3号線)が通ることになり、道路敷地にあった工房を移転するという計画から生まれた建物です。キャンパスの中央に28m幅の道路が通り、横断
歩道と地下道を作り、校地内の北側に主に工芸工業デザイン学科が使用する建物が建設されました。

写真左:2016年竣工14号館             写真右:14号館から見た眺め 道路工事中

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現在、14号館を利用している学生は約580人。利用し始めて2か月ほど、新入生も迎え建物の利用を始めたばかりのタイミングで工芸工業デザイン学科 中原俊三郎教授にお話をうかがうことができました。

工芸工業デザイン学科 中原俊三郎教授

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WSI: 始めに、本棟を建設する上での設計コンセプトはどなたが考えられたのですか?

中原教授: 武蔵野美術大学の 宮下勇名誉教授です。近隣棟との繋がりも配慮した設計になっています。
今後、この建屋をどういう風に活用するかはこの棟で学んでいる学生が考えていくことになります。

WSI: この棟で学んでいる学科生は?

中原教授: 立体系、つまり、金属・ガラス・木材等を使った手作り感のある日用品や工芸作品の製作を学んでいます。一方で金型から製造される工業製品のデザインも学んでいるので卒業後の就職先はメーカー系(自動車、家電等々)が多いです。

WSI: この棟における設備も含め内装に関しての特徴をお話しいただけますでしょうか?

中原教授: この建物内の全ての工房、各種演習室、研究室は配管がむきだし、つまり空間内を固定化しない。用途に合わせてフレキシブルに空間を変化させることができるコンセプトを重視しています。

WSI: その中で購入された家具類の決定に至るプロセスは?

中原教授: 家具自体はデザイン性・耐久性を重視しました。もちろん前提は策定した予算内ということですが。加えて、学生が学んでいる教室(工房)はガラス張りで外から中の様子がすべて見える構造なので、家具自体も柔軟性に富み、すなわち学ぶ場所がいろいろなバリエーションに変化できることが重要だったので、ここは家具のプロに来てもらって相談にのってもらう必要性がありました。

WSI: 時には当社も交えさせていただきながら、かなり議論を尽くされたと伺っていますが、今現在使いやすさはいかがですか?

中原教授: 引っ越してきて数か月経ちますが、イメージ通りで満足しています。
研究室は学生たちとの相談事でも使用しますし、工房で学生たちとのコミュニケーションも取りやすくなっています。
また、工房や演習室が外から丸見えなので学生の表情が良く見えるのが大変良いと思っています。
今後、学生たちがどのようにこの建物をうまく使ってくれるのか楽しみです。

14号館 4階 ID(インダストリアルデザイン)研究室
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14号館 3階 クラフトデザイン研究室
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14号館 3階 クラフトデザイン研究室
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14号館 3階 クラフトデザイン研究室内 会議室
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14号館 3階 金工準備室
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今回、訪問して驚いたことはガラスを多用した建物でブラインドやカーテンがなかったことです。西日が当たる部屋だけロールスクリーンが設置されていました。

建物に合わせたモノトーンのデスクやパーテションに、CIカラーのブルーで統一された椅子がアクセントになり明るくすっきりとした印象でした。

教室もすべてガラス張りなので常に見られている緊張感があります。隠す場所がなく、学生たちが作品を無造作に置くことも憚れるのできれいに見えるよう工夫している姿が見られるとのことです。

全てを見せる美しい校舎。道路が開通し、近隣の方との交流やつながりが生まれることによって今後の変化が楽しみです。

14号館内部:廊下を挟んで両側にガラス張の教室         学生の作品を展示するショーケース
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最後になりましたが今回の取材にご協力いただいた中原教授と、工芸工業デザイン学科のみなさんどうもありがとうございました。

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